2022/05/08
最近、UA値の良し悪しを機にされるお客様が増え
「UA値はいくつぐらいですか?」と聞かれることも増えていて
UA値が良ければ良いほど、
断熱性能が良いと考えてしまいがちです。
UA値=断熱性能 ?
次の2つの家は床面積30坪平屋建て住宅で
床面積と間取りは、全く同一で
各部位(屋根、外壁、窓、基礎)の断熱仕様も同一です。
異なるのは屋根形状で、片流れと寄棟です。
ご覧のとおり
断熱性能UA値では片流れのほうが優れていますが、
建物全体の逃げてゆく熱量(熱損失)は、
片流れのほうが19%大きいのです。
つまりUA値では劣る寄棟屋根のほうが、
断熱性能は上ということになります。
どういうことと言いますと
UAとは外皮面積(屋根、外壁、窓、基礎など外に面したもの)
あたりの熱損失ですから
UA値が良くても外皮面積の大きな建物は
実際の熱損失は大きいというわけです。
以前は断熱性能と言えばQ値を使っていました。
こちらは誰もが使う床面積あたりですから
家全体の熱損失の良し悪しも比例していて
分かりやすく実感できます。
どうして分かりやすいQ値から
分かりにくいUA値に変わったのでしょう?
原因の一つは、わかりやすいQ値では
デザイン性を重視したハウスメーカーには
分が悪いということでしょうか?