2021/11/13
このところ「浴室もトイレも窓は要らない」というお客様が目立つようになりました。
数年前まではほとんどのお宅で窓付でした。
NET検索すると、確かに「窓不要論」が目立ち、
おそらくそれに共感する方が増えているためと思われます。
その理由としては
1.換気に窓は不要
2.カビなどの汚れの掃除が大変
3.浴室内が寒い
4.入浴は夜なので採光の必要が無い
5.外からのシルエットや気配が気になる
などが主なものです。
近年、窓必須のかつてとは、住宅性能は確実に向上し、窓の役割もかなり変わってきています。
1.の換気は、ユニットバスのような浴室の気密性能がある程度確かな場合、
換気扇(シロッコファン)だけで問題ないと思います。
但し、気密性能が不十分だったり、換気扇がプロペラファンであったり、
建物全体の換気と整合性が取れていない場合は問題があります。
2.と3.は大きな関連があり、換気が適正で浴室が暖かければ、あまりカビの発生もありません。
もちろん不要論の理にかなう点は否定するものではありませんが、
建物の気密、断熱などの性能や換気システムなど設備の違いで窓の考え方も変わってきます。
どの家も一様に窓不要というのは、いささか問題です。
もう一つの視点は、住まい全体から見た浴室窓の役割、長い間の生活スタイルから考えた窓の役割です。
北側に浴室、洗面、脱衣、トイレ、キッチンなど水廻りを配置するのはよくある間取りですが、
いずれも窓は小さ目にすることが多く、開かないFIX窓にすることも良くあります。
アイディールの家でも特にご要望がない場合、水廻りを北に、明るく日当たりの良い部屋はリビング
ダイニング、和室などにプラン、大き目で引違窓など開放通風できる窓にすることが一般的です。
しかし、このような間取りで通風して気持ちの良い外気を取り入れようとすると
北側など風の通り道がないと通風はあまり期待できないことになります。
停電時など機械換気が機能しない緊急時も開く窓が一方にないと通風できません。
高性能住宅が当たり前の時代ですが、各方位に1箇所づつぐらいは開く窓があっても良いのではないでしょうか。