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世界遺産白川郷合掌造りは隙間だらけ

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 世界遺産白川郷の合掌造りには建物を長持ちさせる様々なノウハウが詰まっている

田舎育ちの年配の方でないとわからないかもしれませんが、

かつて農村では秋に刈り取った稲を束にし天日干した藁(ワラ)を

暮らしや農業の中で、いろいろ活用していました。

藁で作った倉庫の中は、素材はすき間だらけのはずですが、冬でも暖かで雨も防ぎます。

合掌造りの屋根や壁は決して高気密ではありません。というより高気密とはほど遠いスキスキの構造です。

空気の流れる性質は、ある程度大きな隙間ですと、隙間風となって流れますが、

隙間が小さく、複雑になって真っ直ぐ流れないような空間では、流れの抵抗が大きく

空気はほとんど動きません。空気の熱伝導率は極めて小さく、

動かない空気とはすなわち断熱層となって室内は暖かに保持されます。

合掌造りのすごさは、家全体の空気の流れにもみられ、

囲炉裏で焚いた煙が茅葺屋根の隅々まで届くように作られ、建物としての耐久性を保持しています。

空気の流れ、断熱、防水、防腐、防虫など建物の長寿命化に必要な要件が、

隙間によって担保されているのは驚きと同時に、これからSDGs時代の家作りに

取り入れる考え方が多々あって、偉大な一つののモデルともいえます。

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