2019/10/02
台風15号の強風で、千葉県下では屋根の被害が目立ちました。
そこで、これまでも弊社では屋根施工に関して、もいろいろ配慮した施工をしてきましたが、
改めて今回、屋根の耐風強度を検証してみました。
9月9日千葉の観測データー(気象庁HP)によれば
この日の最大風速35.9m/s 最大瞬間風速57.5m/s
が観測されています。この57.5m/sは千葉における観測史上最高で
とてつもない強風に見舞われたわけですが、果たしてこれは想定外ですまされる風速なのでしょうか。
上表は建築の設計するときの建築基準法で規定する各地の基準風速ですが
これによると千葉市は36m/s、愛知県の主要な地域は34m/sとされています。
9月9日の最大風速は35.9m/sですから、
千葉市では想定されたMaxギリギリの風速が観測されたわけですが
ギリギリであっても想定内ということになります。
最大風速の定義は、10分間の平均風速で、
瞬間風速はおよそ最大風速の1.5~3倍といわれますから
この日の最大瞬間風速57.5m/sも想定内ということになります。
さてその想定内風速で「アイディールの家」を弊社設計担当服部が検証してくれました。
ちょっと小さくてごめんなさい
かいつまんで言えば
金属製屋根葺き材の耐風圧について
愛知県における基準風速は34mですが、
この資料では千葉県の海岸付近の基準風速38mを使って
屋根垂木ピッチ455mm 断面45×60、軒の出の想定です。
これによれば
(1)垂木断面の検討は
屋根面における負の風圧-0.766(上向き)に対して
垂木の曲げ応力度0.79kN/㎠<許容応力度1.48kN/㎠ でOK
(2)垂木-軒桁接合部の引抜については
引抜力1.120kNに対し
アイディールの家標準のタルキックⅡ(ビス径5.5mm 打ち込み長さ45mm)
では短期許容応力 1.40kN でOK
但し、釘N90(打ち込み長さ30mm)では
短期許容応力 0.19kN でNGとなります。
(3)垂木-母屋接合部の引抜きは
1.120kNに対し、タルキックは1.40kNでOK
(4)屋根材にかんしては
風圧力 棟端部 -3710N/㎡ 軒隅部 -2828N/㎡ですが
メーカー側データーは破壊値としてアイジールーフ6500N/㎡ エバールーフ6370N/㎡とあり
破壊値より安全側でみると
軒隅部はOK ですが棟端部は微妙です。
尚、これが千葉基準ですから愛知基準であればOKのはんいでしょうか。